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「書籍・雑誌 2005-06」のアーカイブ

2006年12月19日

使命と魂のリミット

東野圭吾の新作「使命と魂のリミット」を読みました。

作風が幅広い東野圭吾氏の本作は、心臓外科が舞台になっています。


幼い頃父を動脈瘤の手術で失った娘が、医師を目指し、父の手術で執刀した外科医のもとでインターンを務めます。凄腕の外科医がなぜ自分の父のときに手術を失敗したのか疑問に思う娘。自分の母親との再婚が決まり、「わざと手術を失敗したのでは」との疑惑が大きくなっていきます。そんなとき、病院に一通の脅迫状が届きます。その文面には、「医療ミスを認め、その事実を公表しなければ、病院を破壊する」と書いてあって・・・。


相変わらずのリーダビリティで、すいすい読めてしまいます。「チーム・バチスタの栄光 (くりす流)」よりも医学的な話は少なく、ヒューマンドラマが中心。

週刊新潮に連載されていた作品で、各章毎の盛り上がりがあって、ついつい読み込んでしまうのですが、全体を通したときのストーリーは、東野氏の作品の中では中の上くらいの出来かもしれません。最後のオチも、個人的にはすっきりしない形でした。

まあ、これは僕が最近「ER」で、医学的に困難な状況に様々な工夫を凝らして立ち向かっていく医師達の姿をずっと観ていたからかもしれません。そういう背景がなく、普通に読んでいたら、終盤はもっとぐっと入り込めたのかも。

映像化に向いているストーリー(東野氏は彼の作品はほとんどそうだと言っていますが)なので、そのうち映画化、もしくはドラマ化されるかもしれません。

使命と魂のリミット
使命と魂のリミット
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東野 圭吾
新潮社
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2006年12月 8日

おまけより割引してほしい―――値ごろ感の経済心理学

「おまけより割引してほしい」を読みました(これまた小飼弾氏のブログから)。

SEとして、自分の作るシステムの「価値」「価格」について考えていたところだったので、ちょうど良いタイミングでした。

本書は「値ごろ感」を以下の式で表現して説明してくれます。

(値ごろ感)=(価値)/(価格)

つまり、単価あたりの価値が高いほうが、お値ごろ価格であるということ。

この式をベースに、僕らの生活の中のちょっとしたことを解説してくれます。

・なぜ吉野家の牛丼は280円だったのか。
・なぜ寿司屋には「オール1皿100円」「赤皿100円、青皿200円、黄皿300円…」「時価」etcのように色々な料金体系が存在するのか。
・なぜ衝動買いをしてしまうのか。
・なぜデパ地下は食料品で、高級品は上の方の階となっているのか。
etc.

割に衝動買いしやすい体質なんですが、これでちょっとは改善されるかもしれません。

おまけより割引してほしい―値ごろ感の経済心理学
徳田 賢二
筑摩書房
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2006年12月 6日

セックス・ボランティア

障害者の性について書かれた「セックス・ボランティア」を読みました。

昨日のエントリで紹介した「そして殺人者は野に放たれる」と同時に新潮社から文庫化されました。どちらの本も、社会から「見なかったこと」にされているタブーについて触れている本なので、興味を持つ人は両方気になるのか、Amazonの「この本を買った人はこんな本も買っています」でセットになっていました。

僕は書店で買ったのですが、一緒に買ってしまう心境はなんとなく分かります。

本の内容は、障害者への性のボランティアについて。

自分で自慰行為ができない障害者に対してマスターベーションの介助をしたり、セックスの相手がいない障害者のセックスをしたりするボランティアをセックス・ボランティアと呼ぶそうです。

障害者でもそういう行為が必要である、というのは当たり前のことなのに、今まであまりそういうことについて考えたことがありませんでした。

冒頭に登場するおじいさんが強烈で、年金を切りつめて貯めたお金で、年に1回ソープランドに行くそうです。そこで、酸素ボンベをつけていないと呼吸が苦しいのに、そのボンベを外して本当に命がけで行為に及ぶのだとか。

本書では、セックス・ボランティアについての何かの結論が出るわけではなく、作者の河合香織さんが取材した事実をかみしめるように書かれているだけなので、その是非について答えが欲しい人は物足りなさを感じるかもしれません。

ただ、自分の住んでいる社会にはこういう一面もあるのだということを知る良い入り口になる本ではあります。

セックスボランティア
河合 香織
新潮社
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2006年12月 5日

そして殺人者は野に放たれる

小飼弾のブログのエントリ「404 Blog Not Found:そして殺人者は野に放たれる」で紹介されていた「そして殺人者は野に放たれる」を読みました。

この本を読むと、日本が法治国家ではなく、放置国家であることがよく分かります。

大量殺人を犯しておきながら、異常すぎて犯行の際の心境が不明という理由で、刑を軽くされたり無罪にされたりする犯人たち。

日本が被害者にとって厳しい国だと言うことは、何かの本を読んで知っていましたが、逆に犯罪者にとってここまで大甘だとは思いませんでした。

以前、「39-刑法第三十九条-」という映画を観たことがあります。

殺人を犯しながらも犯行中の記憶がないと訴える犯人が、裁判中に異常な行動を見せたことで、犯行中の心神喪失が疑われ、精神鑑定にかけられるという映画でした。

堤真一演じる犯人と、鈴木京香演じる精神鑑定人の演技が光る面白い映画でしたが、この本を読んでからだとまた見方が違ってくるかもしれません。

そもそも、犯行中に「心神喪失」状態であったら、罪を償わなくて良いのか。

守るべき家族や恋人がいる人たちは、この本を読んで、明日降りかかるかも知れない災いへ心構えをしておくべきかもしれません。


そして殺人者は野に放たれる
日垣 隆
新潮社
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39-刑法第三十九条-
39-刑法第三十九条-
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2006年11月16日

「サルまん」復活!

あの伝説の漫画「サルまん」が復活するそうです。


たけくまメモ : 【発表】来春『サルまん』新連載


これはかなり楽しみ。

サルまんと言えば、「ちんぴょろすぽーん」や「モメーン、モメーン」というギャグを遺した伝説的漫画です。

それが今この時代に復活するのですよ。

掲載紙は月刊誌の「IKKI」(IKKI公式サイト[イキパラ])で、来春から連載開始だそうです。

当時、「サルまん」に夢中になった方は要チェックですよ。


サルまん 21世紀愛蔵版 上巻
相原 コージ 竹熊 健太郎
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サルまん 21世紀愛蔵版 下巻
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2006年11月 6日

チーム・バチスタの栄光

第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。

店頭で見かけていたんですが、「チーム・バチスタの栄光」というタイトルから、勝手に「野球チームの熱血感動もの」だとばかり勘違いしてました。

なにかのきっかけで「バチスタ」が医学用語であることを知り、たまたまDISCASで「ER」をレンタルして見ていたこともあって、読んでみることにしました。

amazonの商品紹介より
東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。

作者が現役のお医者さんらしく、手術のシーンとか医者の心境とかが結構生々しくリアルに描かれています。ただ、キャラクターがコミカルに描かれていて、重くなりすぎず、適度にバランスが取られています。

印象に残ったのが、主人公の田口医師が、チーム・バチスタの面々を聞き取り調査するシーン。その中で、各人にそれぞれ名前の由来を聞くのですが、これが結構その人の本質を見抜く、良い質問らしいのです。

そんなこと軽々しく説明できないと言って話さない人や、「所詮こんな名前ですよ」と蔑んで話す人、或いは「こういう夢が込められているんです」と自信をもって話す人。そこに、自分とどうやって向き合っているのかという姿勢が垣間見えるそうです。

もう一点印象に残ったのが、「大事なのはしっかり聞くこと」ということ。

田口医師は、愚痴外来と揶揄される不定愁訴外来(治っているはずで、検査ではどこにも異常がないのに、いたみなどを訴えてくる人専用の外来)の医者なんですが、そこにやってくる患者はどの人もじっくり聞いてあげることで、痛みや不調がなくなり「完治」するそうです。

仕事の上で、最近よく聞くのが「モチベーションが上がるように、ちゃんと説明する」ということですが、実は大切なのは説明をする前に、その人のことを良く聞いて上げることだというのに、改めて気づかされました。僕は結構話を先読みしてしまう方なので、話の途中で口を挟まず、ちゃんと聞く練習をしなきゃなぁとちょっと反省。

変人役人白鳥が再度登場する次回作「ナイチンゲールの沈黙」という本も最近出版されたようなので、チェックしてみようかなと思ってます。

チーム・バチスタの栄光 OFFICIAL WEB SITE

2006年10月31日

DEATH NOTE 13

人気コミック「DEATH NOTE」の13巻を購入しました。


DEATH NOTE 13


本編は12巻で完結しているので、13巻は物語の解説や人物解説、作者二人(原作・作画)のインタビューが載っています。連載開始前の短編読み切りも収録されていて、DEATH NOTEに書かれた名前を消すと死者が生き返るという消しゴムが登場しています(これは本編に採用されなくて良かったアイテムです)。

これを読んで知ったのですが、「DEATH NOTE」は全108話(煩悩の数ですね)、13巻を13日の金曜日に発売と、内容以外の部分にもこだわりをもって取り組んでいたみたいです。

人間ドラマが描けていないという批判もあるようですが、この点に関しては、物語をエンターテインメント路線で突き進めるために、人間ドラマはあえて描かなかったと原作者の大場つぐみさんは語っています。

以下、インタビューの一部引用です。

「だからジャンプで連載ができて、本当に良かったと思います。少年誌だから自然と思想的な部分の歯止めが利いて、純粋にエンターテインメントに向かうことができましたから。もし青年誌で連載していたら善悪論の方が人気が出て、そちらに物語が傾いちゃったかもしれませんし」

先日紹介した「AERA comic」の中で、井上雄彦さんが「バガボンド」を青年誌で連載できて良かったと語っていました。

同じ漫画でも載せる雑誌の種類って結構重要なんだなぁと改めて思いました。

もしも、青年誌に「DEATH NOTE」が連載されていたら、もしも、少年誌に「バガボンド」が連載されていたら。想像するとちょっと楽しいかもしれません。


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