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「書籍・雑誌 2007」のアーカイブ

2007年12月27日

「神の雫」のミステリー的展開の必然

モーニングで「神の雫」というワイン漫画が連載されていまして、ちょっとしたブームになっています。

韓国でも翻訳された漫画が出版され、漫画の中で紹介されたワインの値段が上がるなど、本家日本よりヒートアップしているとか。

で、その「神の雫」なんですが、先々週くらいから始まった章が、ちょっとミステリー的な展開になってるんですね。

あるワイン倉からワインが盗まれて、主人公の恩人が疑いをかけられた、と。恩人の無実を信じている主人公は、当日そのワイン倉に訪れた人たちを調査して、独自に犯人を見つけようとする、というお話。

急にミステリーっぽくなってきたなぁと思ったんですが、それもそのはず。この「神の雫」の原作者である亜樹直さんは、金田一少年の事件簿のノベルス版の作者でもあるんですね。

え?名前が違うって?

そうなんです。この人、色んな名義で様々な作品を出してるんです。

亜樹直 - Wikipedia

そしてそして、この人、知る人ぞ知るMMRのキバヤシ隊長のモデルとなった人なんですね(キバヤシを知らない方はスルーしてください)。

なんか意外な人が同一人物だったので、ちょっと驚いちゃいました。

神の雫 (1) (モーニングKC (1422))
亜樹 直 オキモト シュウ
講談社 (2005/03/23)
おすすめ度の平均: 4.5
5 美味しんぼのワイン版?
4 ゆうきゆうさんのレビューの方が面白かった。
5 「神の雫」の世界にはまりました


2007年12月17日

セレビッチ!

酷いネーミングですね。

「セレブになりたい貴女のための 速習!セレビッチ」 ニュースな本棚|Excite エキサイト : ブックス

ここでは、単なるお上品な上流婦人にとどまらず、ビッチ性をも併せ持った魅惑のセレブ、名づけて「セレビッチ」たちの伝記をピックアップ。

ビッチなセレブって!

パリス・ヒルトンみたいな人のことを言うのかな。


とか思ったら、下の方に書いてあったよ!

(2)ヒルトン姉妹 女性ファッション誌御用達のセレブといえばパリス・ヒルトン(姉)とニッキー・ヒルトン(妹)のヒルトン姉妹。ホテル王・ヒルトンを父に持つ超お金持ち、おまけに美人でスタイルも抜群。夜な夜なパーティで遊びほうけ、とりわけ姉のパリスは親友のニコール・リッチー(ライオネル・リッチーの娘)ともども世界をお騒がせしているセレビッチの代表的存在だ。ハメ撮りビデオがネットで流出しようがパーティでおっぱいポロリしようが、彼女たちのキラキラファッションが女性誌を飾らない月はない。

「ハメ撮りビデオがネットで流出しようがパーティでおっぱいポロリしようが、彼女たちのキラキラファッションが女性誌を飾らない月はない」って、やだよ、そんな人。

こういう人たちに憧れる人がいるんだもんなー。世界は広いね。

もっと下の、

(7)セレブの着回し術 「ノッポさんのトーク術」と同じくらい矛盾した言葉。

この突っ込みが的確すぎておもしろ。


おでかけセレビッチ (ヨコモレ通信 (2))
辛酸 なめ子
文芸春秋 (2007/01)
売り上げランキング: 16749
おすすめ度の平均: 4.5
3 チョイ過去
5 たまらん!
3 おもしろせつないスポット紹介。

2007年12月 8日

伊坂幸太郎 "ゴールデンスランバー"

これはやばい。

超おもしろい。

2007年で1冊選べと言われたら、僕は間違いなくこの本を推します。


物語のあらすじは単純で、首相暗殺の容疑をかけられた主人公・青柳が、色々な人の助けを得ながら必死で逃げようとする2日間を描いています。映画で言うと「逃亡者」のような感じですかね。

ただ、セキュリティポッドなる近未来設備が登場したりと、若干SFが入っている部分もあり。クライマックスの展開はファンタジーでもあります(といっても、妖精とか出てくるわけではありません)。


随所にちりばめられた、「伊坂幸太郎」節が炸裂していて、ロック好きの岩崎さんという人物や、主人公の父親などの会話、発言にはわくわくさせられました。


年末年始、時間のあるときの読書に是非どうぞ。

こりゃぁ今度の直木賞取るんじゃないかな。これまで何度も落選しているし、当選させるならこの本だと思いますよ。


ゴールデンスランバー
伊坂 幸太郎
新潮社 (2007/11/29)
売り上げランキング: 23
おすすめ度の平均: 5.0
4 冴えわたる伊坂幸太郎ワールド
5 運よく仙台で
5 来ました!


2007年11月29日

君たちに明日はない

クビ切り代行会社に勤める主人公が、クビ切り対象者と繰り広げるおもしろ可笑しい物語。

どんなに優秀でも、「会社の都合」ってやつで、いとも簡単に人生の転機を迫られるんだよなぁ。

ものすごく面白いというわけじゃないけど、仕事に対する態度というか姿勢を、改めて考えさせられました。

君たちに明日はない (新潮文庫 (か-47-1))
垣根 涼介
新潮社 (2007/09/28)
売り上げランキング: 831
おすすめ度の平均: 3.5
2 リアリティー無いじゃん
5 「明日は明日の風が吹く」と思える物語
2 深みがなくて残念です

2007年11月25日

東野圭吾「ダイイング・アイ」

東野圭吾の新作「ダイイング・アイ」を読みました。

新作、といっても初出は1998年で、雑誌に連載後、単行本化されていなかった作品のようです。結構昔の本ですが、携帯電話の使い方等々時代の古さを感じさせてないところをみると、今回、大幅に加筆修正をしたんじゃないかと思います。

物語は、ある普通の主婦が車に衝突され死んでしまうところから始まります。車と壁に挟まれながら、主婦が情念深く死んでいくこのシーンこそがこの物語の肝。

その交通事故の加害者である男性を中心に、ストーリは、ミステリー、SF、オカルトと状況が二転三転していきます。

途中、「えー、そっち方面の話だったの?」と臭わせる部分があるのですが、結果としてそっち側には転ばず、良かったです(って読んでない人にはなんのこっちゃ分かりませんね)。

タイトルの「ダイイング・アイ」は、「死にゆく人の目」。その言葉通りの意味で、ストーリーの終盤、事件の真相が明るみになったとき、思わず背筋がぞくっとしてしまいました。

ダイイング・アイ
ダイイング・アイ
posted with amazlet on 07.11.26
東野 圭吾
光文社 (2007/11/20)
売り上げランキング: 60
おすすめ度の平均: 4.0
4 怖い
4 なんとも不気味なストーリーです。
5 どきどきしながら読みました

2007年9月11日

現代の肖像にシャア・アズナブル

AERA に「現代の肖像」って連載コーナがあって、毎回著名人の特集が組まれているんですが、'07.9.17号の著名人は「シャア・アズナブル」でした。

肩書きが、モビルスーツ・パイロットだって。

第1作で敵を討ち果たしたシャアは、第2作では父の意志を継ぎ、宇宙で暮らす人の権利拡大のために戦う。しかし、父の名の重さを知る彼は偽名を使い、表に立とうとしない。そのことを若者になじられ、殴られる場面さえある。
全共闘世代の池田は、自らに重ねて演ずるところがあったそうだ。
「全共闘で頑張ったシャアが、こんなだらしなくなっちゃったのか、あのときに世の中変えてあげるっていってたのが、会社入ったらただのサラリーマンじゃん、っていうのを、若手に怒られているみたいなね」

そうかー、なんか僕が観ていたときとは違う視点だなぁ。

大人になった今、会社員になってそこそこ時間が経った今、もう一度見てみると楽しめるポイントも変わってくるんでしょうね。

時間があったら初代ガンダムとかもう一度見てみようかな。

2007年8月11日

楽園(上)(下)

宮部みゆきの新作。「模倣犯」の9年後を描いた作品です。

「模倣犯」が発売されたとき、「おもしろそうだなぁ」「でも分厚いなぁ」「高いなぁ」「文庫になってから買おうかなぁ」と2年近く迷い続け、あげく単行本を買ってしまったわけで。こんなことなら最初に買っておけば良かったと後悔したものです。

というわけで、勢いで買って勢いで読んでしまいました。

正直、「模倣犯」の話の大まかなストーリーは覚えていても、細かい部分は忘れていたんですね。

それでも、単に「模倣犯」に登場したルポライターが主人公になったスピンオフ作品だろうと思って読んでいたので、前作のことがちょっと出てきたときは正直不意打ちをくらいました。

で、なんかこう、現実にあった事件のように感じられたんですね、前作の事件が。

主人公のルポライター同様、身の毛がよだちました。

物語は、事故で亡くなったある12歳の男の子の母親が、ルポライター前畑滋子に会いに行くところから始まります。

彼女は前畑に、自分の死んだ息子に特殊な能力があったかもしれないと告げます。

その少年が生前ノートに書いた絵に、死後まったく別の地域で発生した親による子殺しを示唆する絵が描かれていたのです。

彼には本当にそんな能力があったのか。

前畑滋子は、9年前の事件の傷が癒えぬまま、調査に乗り出していきます。


さすが売れっ子作家だけあって、物語の転がし方が実に巧妙です。物語の焦点は色々と移りゆくのですが、骨子はしっかりしていて、ぐいぐいと引き込まれました。

最後にはちょっと涙をほろりと流してしまうシーンもあり。

前作を読んでおかなければならない本ではありませんが、読んでおいた方が楽しみがちょっと増えると思います。


楽園 上 (1)
楽園 上 (1)
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宮部 みゆき
文藝春秋 (2007/08)
売り上げランキング: 8
おすすめ度の平均: 4.5
5 何が出てくるか
4 「模倣犯」から9年…床下の少女と、彼女を「知る」少年を結ぶ点と線!!

楽園 下
楽園 下
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宮部 みゆき
文藝春秋 (2007/08)
売り上げランキング: 9
おすすめ度の平均: 3.5
2 何だか物足りない・・・。
3 のめりこみました。。。が。
4 良かったけれど…
模倣犯1 (新潮文庫)
模倣犯1 (新潮文庫)
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宮部 みゆき
新潮社 (2005/11/26)
売り上げランキング: 353
おすすめ度の平均: 5.0
5 引き込まれる描写
4 最高傑作とまでいうのは疑問
5 読書の喜びを感じた作品。
模倣犯2 (新潮文庫)
模倣犯2 (新潮文庫)
posted with amazlet on 07.08.12
宮部 みゆき
新潮社 (2005/11/26)
売り上げランキング: 760
おすすめ度の平均: 4.5
5 現代社会がかかえる「闇」
4 全巻の中で最も気持ちの悪い1冊
4 これもまた本能の放つ警告だった
模倣犯3 (新潮文庫)
模倣犯3 (新潮文庫)
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宮部 みゆき
新潮社 (2005/11/26)
売り上げランキング: 872
おすすめ度の平均: 4.5
5 宮部氏の代表作
5 虐げられ続けた人間が持つ強さや優しさがいつまでも心に残る1冊
5 社会が求めてるのは真実だの真心だのなんて安っぽいものじゃなくて、極上のストーリーなんだ。
模倣犯〈4〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社 (2005/12)
売り上げランキング: 889
おすすめ度の平均: 4.0
5 作者の代表作
2 疑問点沢山あり
5 事件に巻き込まれた人々の関わりをもとに、人殺しの残酷な本質を見事に描いた1冊
模倣犯〈5〉 (新潮文庫)
宮部 みゆき
新潮社 (2005/12)
売り上げランキング: 861
おすすめ度の平均: 4.5
5 引き込まれるような読書が好きな人にお勧めします。
2 一刻も早く本棚から削除したい
5 少し違った読み方をしてしまった

2007年7月19日

となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術

別にクレーマーに困っている訳じゃないんですが、おもしろそうだったので読んでみました。

実際にデパートなどの現場でお客様係として働いた経験がある作者の言葉は、「うそー」「こんな人いるの?」というようなお客様でも、リアルな話として受け止めることができました。

しかしクレーマーってのはホント怖いですね。

日本では「お客様は神様」という信仰が変な形で広まってしまっているので、よけいにたちが悪いんだと思います。

海外ではお店の対応って結構いい加減だって言いますし。

品物を過剰包装する文化もそうですけど、やれ日本文化を守らなければどうのこうのと言いながら、いびつな形で変な慣習が残っていかないようにしなきゃいけませんね。


となりのクレーマー―「苦情を言う人」との交渉術 (中公新書ラクレ 244)
関根 眞一
中央公論新社 (2007/05)
売り上げランキング: 53
おすすめ度の平均: 4.5
5 クレーム対応の“教科書”。企業の新人教育に最適!
5 苦情のマイナスイメージに呑まれないために
4 クレーム対応の基本を楽しく学ぶ

2007年7月12日

2ちゃんねるはなぜ潰れないのか?

2ちゃんねるというの掲示板があることは、インターネットに触れている皆さんならご存じだと思います。

本書は、その管理人である、西村博之さんこと「ひろゆき」(以下、敬意を込めて「ひろゆき」)が、2ちゃんねるや最近のWeb2.0について語ったものを口述筆記した一冊です。

ひろゆきと言えば、2ちゃんねる絡みで色々訴えられてはいるものの、裁判所に全然出頭しないとか、賠償金払わないとか、そういう負のイメージが先行しがちですが、本書を読むと意外と控えめで、そしてやはり頭がかなり切れる人物であることが分かります。

特に、Web2.0 については、そんなものには実体がないと一蹴。そして、そのバズワードを元にお金稼ぎをしている人たちがいると言っておきながら、次の章では、そのお金儲けしている一人である「グーグル―Google 既存のビジネスを破壊する 文春新書 (501)」の著者、佐々木 俊尚さんと対談してたりします。

この対談が面白くて、Web2.0なんてどうでも良いひろゆきと、Web2.0で食っている佐々木さんのやりとりのかみ合わないこと。

例えば↓一部を抜粋すると、こんな感じです。

西村「先生、Web2.0の定義を教えてください(笑)」

もうこの質問からして挑発的です。


佐々木「(中略)・・・ということがビジネスモデルになりつつある。それがWeb2.0の本質なんです。」

西村「なりつつあるんですか?」

佐々木「なりつつあるんですよ。」

このひろゆきの聞き返し方も嫌らしいですよね。「んなわけないんじゃない?」的なにおいがぷんぷんします。


佐々木「(中略)・・・アドセンスもそうです。」

西村「アドセンスやアドワーズを自分のホームページに置くのがWeb2.0 ?」

佐々木「それもそうだし、アドセンスをどんどん提供するのもWeb2.0 。」

西村「そうすると、自分のホームページの内容に近い広告を選んで掲載する『バリューコマース』はWeb2.0 なんですか?」

佐々木「それはWeb2.0 でしょう。」

西村「それはWeb2.0 なんですか?」

佐々木「そういう意味で考えればね。でも、バナー・・・(後略)」


この辺なんか完全に佐々木さんは分が悪いですからね。

あと、巻末の小飼弾さんとの対談もおもしろいです。


「Web2.0ってやつが気になっているけど、誰に聞いてもピンと来る答えが返ってこないんだよね・・・」という方にオススメの一冊です。


2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書 14)
西村 博之
扶桑社 (2007/06/29)
売り上げランキング: 43

2007年7月 6日

葉桜の季節に君を想うということ

2004年の「『このミステリーがすごい!』大賞」を受賞している作品。

本屋に単行本が並んでいた当時から、ちょっと気になっていたのですが、最近文庫化されてようやく読むことができました。

なんというか、読者の思いこみの盲点を突いたトリックで、うかうか読んでいると、終盤で「え? あれ?」と鈍器で殴られたような衝撃を受けます。

主人公の口調、行動、職業、住まい、会話の内容すべてが、このトリックのためにあると言っても過言ではないです。

たぶん好き嫌い分かれるだろうなぁ。

amazonの書込を見ても、良かった派といまいち派でくっきり分かれてますからね。

確かに、ぱっと見トリック重視の作品のようにも見えますが、その裏には、僕らが今後考えていかなければならない事象への示唆が込められていて、僕は好きでした、はい。

タイトルの「葉桜の季節に君を想うということ」という名前も、ちゃんと意味があります。

途中まで「なんでこのタイトルなんだろ」と不思議に思ってましたが、ラストまで読んで納得しました。


葉桜の季節に君を想うということ
歌野 晶午
文藝春秋 (2007/05)
売り上げランキング: 3446
おすすめ度の平均: 4.0
4 楽しめましたが…
2 おどろいておわり
5 最後に大きな仕掛けがあります



2007年7月 1日

東野圭吾「夜明けの街で」

東野圭吾の新作「夜明けの街で」を読みました。


妻子を持つごく平凡なサラリーマンの主人公が、派遣社員としてやってきた女性と不倫するというストーリー。その女性にはある殺人の容疑がかけられており、不倫がばれるんじゃないかというハラハラと女性に関する事件の真相はどうなるんだというハラハラがうまくシンクロしていきます。

今回の話は、「秘密」で見せた男という生き物の悲しい性(サガ)を、より一層際だたせたような話でした。

妻に対する罪悪感に、必死で諫める友人、そして忠告されればされるほど頑なになる男。

不倫はしちゃいけないと分かっていながら、ずるずるとのめり込んでいきます。

思わずぐいぐい引き込まれ、一気読みしちゃいました。それにしても、東野圭吾の作品はリーダビリティが高いです。


本の中には、「結婚」というもの「男と女」というものについての、色々な考察がちらほら登場するのですが、読んでいて思わず吹き出してしまったのが、この一節。


それにしても妻というのは、どうして亭主が外で何を食べてきたのかを知りたがるのだろう。


僕も妻から良く聞かれます。

世間の夫達もみなそうなんだと分かって、ちょっと嬉しくなりました。


夜明けの街で
夜明けの街で
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東野 圭吾
角川書店 (2007/07)
売り上げランキング: 166

2007年6月26日

国家資格という紙切れを何が何でも手に入れろ! --- ヘルプマンより

あなたは「高齢化社会」と「高齢社会」の違いが分かりますか?

以前、「介護漫画「ヘルプマン」 (くりす流)」というエントリを書きましたが、そのおもしろさは相変わらず。

今は「介護福祉学生編」というシリーズがスタートしています。

主人公の百太郎は、高校を中退して介護福祉の現場へ飛び込んだ熱い若者。

資格? 法律? なんだそれ? って感じでじじばば達に暖かい介護ケアを提供し、信頼を得ていたのですが、ある日自分自身の祖母の死に直面してしまいます。

それを機に、資格を取りたいと願う百太郎でしたが、国家試験には何度も落ちる始末。

今回も介護福祉の専門学校へ入学させろと直談判に行くも、学歴が足りないからと門前払いをくらってしまいます。

そのうっぷんを、同級生でケアマネをしている仁のところへはらしに行く百太郎。

そこでの一コマ。今回のイブニングでのクライマックスシーンです。



百 「資格資格資格……。試験試験試験……。
   一体それが何になるんだよ!! 
   じじばばと三角形の面積を求めたりするか?
   おもつ替えるのに物理やら英文法が必要か!?」

仁 「必要なんだよ。
   介護福祉士の資格がなければ働けなくなるんだよ。
   どんなにじじばばが好きでも
   どんなに腕利きのベテランでも
   施設職員も在宅のヘルパーも
   資格がなけりゃ働かせてもらえねぇ
   法律はそういう方向で動いているんだ……」

百 「何で……
   んなことになってんだよ」

仁 「それだけ現場のサービスの質が悪いってことだ……」

百 「それと資格と何の関係があんだよ!
   資格もっててもろくでもない奴いっぱいいるじゃん!」

仁 「現場から離れたくなきゃ一生に一回くらい勉強しろ」

百 「国会議事堂の前でうんこしてやる」

仁 「殺すぞ…
   もう一度オレに同じことを言わせたら……
   勉強したくてもできねえ体になるぞ」

百 「(やばい…仁がキレる…)
   わかった!
   学校へ行く
   勉強する!
   あー早く学びてえなぁ!!!」

仁 「とんでもねぇ時代が来るんだよ
   わかってんだろ?
   ああ?

   行き場のない年寄りが溢れ出す…
   療養病床の大幅削減
   目減りする年金
   不況で親を支えきれない家族……
   介護現場からの人材の流出

   どんくさい お国のクソ政策の谷間で
   もがき苦しむ年寄りを指をくわえて見ているのが
   いやなら…

   お国と正々堂々戦争をしたいなら
   国家資格という紙切れを何が何でも
   手に入れろっつってんだよ
   ああ!?」

熱いです。

僕も先日社長と会食したときに、「技術をもっと大切にしてください」ってことを言ったら、「で、お前はどんな資格持ってるんだ」と切り替えされました。

困難に立ち向かうときは、まず同じフィールドになんとしても立たなければ。


ヘルプマン! (1)
ヘルプマン! (1)
posted with amazlet on 07.06.26
くさか 里樹
講談社 (2004/05/21)
おすすめ度の平均: 5.0
5 介護の現実が良く描写されています
5 あなたの すぐそばの事
5 老人介護とは

ヘルプマン! (2)
ヘルプマン! (2)
posted with amazlet on 07.06.26
くさか 里樹
講談社 (2004/07/23)
おすすめ度の平均: 5.0
5 泣きました。号泣です。
5 いい
4 マンガなのでイメ-ジが沸きやすい。
ヘルプマン! (3)
ヘルプマン! (3)
posted with amazlet on 07.06.26
くさか 里樹
講談社 (2005/03/23)
おすすめ度の平均: 4.5
4 とてもリアルに描かれています。
5 ケアする側の支援の必要性をも、示唆してくれます
5 衝撃…
ヘルプマン! (4)
ヘルプマン! (4)
posted with amazlet on 07.06.26
くさか 里樹
講談社 (2005/08/23)
おすすめ度の平均: 4.5
4 ヘルプマンを読んで
5 考えてもみなかった性問題
ヘルプマン! (5)
ヘルプマン! (5)
posted with amazlet on 07.06.26
くさか 里樹
講談社 (2006/03/23)
おすすめ度の平均: 5.0
5 現場の人間としては。
5 フツーのマンガファンに
ヘルプマン! (6)
ヘルプマン! (6)
posted with amazlet on 07.06.26
くさか 里樹
講談社 (2006/07/21)
おすすめ度の平均: 5.0
5 ケアマネがプロフェッショナルな仕事をする為に
5 今そこにある事
5 考えさせられます
ヘルプマン! 7 介護支援専門員編 (7)
くさか 里樹
講談社 (2007/01/23)
おすすめ度の平均: 4.5
4 言わんとすることはわかるけど
5 今回のお気に入りのフレーズ
5 考えさせられます
ヘルプマン! 8 ケアギバー編 (8)
くさか 里樹
講談社 (2007/05/23)
おすすめ度の平均: 5.0
5 日本国民全員に読んで頂きたい
5 誰もが考えなければいけない問題

2007年5月25日

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所

書店で「小説こちら葛飾区亀有公園前派出所」なる本を見つけました。

単なる漫画のノベライゼーションかと思いきや、表紙を見てびっくり。

そこには、「大沢在昌、石田衣良、今野敏、柴田よしき、京極夏彦、逢坂剛、東野圭吾」というミステリの名手の名前が!

これはすごいメンバーですよ。

この作家達が、自分たちの作品の世界に両津勘吉を潜り込ませるわけです。

大沢在昌は新宿鮫と共演させたり、石田衣良はIWGPのヒロトと共演させたり。

色物といえば色物ですが、両津勘吉好きでミステリ好きの僕のハートにがつんと来る一冊でした。

帯に、大沢在昌、石田衣良、京極夏彦のそれぞれの作品中での両津勘吉に関する描写がピックアップされていて、それを読むだけでもわくわくしてきます。


『鮫島は苦笑した。すべてにおいて型破りの警官だ』(『幼な馴染み』大沢在昌)

『偉大なる人類の祖先クロマニヨン人の骨格をした恐るべきスーパーコップだ』(『池袋⇔亀有エクスプレス』石田衣良)

『欲深くてこすっ辛くて、スケールは大きいが思慮は浅く、がさつで大雑把なのにやたらと細かく、だらしがなくて怠け者のくせにしぶとくてマメで、騒々しくて、乱暴で、凶暴で、非常識で、バカで、マヌケで』(『ぬらりひょんの褌』京極夏彦)


いやはや、こうしてみると同じ人物を描写するのに作者によって全く雰囲気が変わってくるものです。

これだけの豪華な作者をそろえていて、1冊1000円は安い!

ミステリ好きでこち亀好きな方は是非ともご一読を。

小説こちら葛飾区亀有公園前派出所
大沢 在昌 秋本 治
集英社 (2007/05/24)
売り上げランキング: 322


ジャンプコミックス
ジャンプコミックス
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秋本 治
集英社 (2006/09/15)
売り上げランキング: 23547

2007年5月 6日

深追い/影踏み

最近読んだ横山秀夫本を2冊。

横山秀夫の警察小説と言えば、警察の実態をリアルに描いています。

警察の実態をリアルに、と言えば「踊る大捜査線」。

「踊る」はポップに、明るく、一般に受けるように肉付けされていますが、横山秀夫はその実態をダークサイドから描き出しています。

じめじめとした村組織の中で、手柄や昇進に対して飽くなき争いを繰り広げる刑事達。挙げ句、窃盗犯検挙強化月間には、余罪をいくつももった泥棒を「良い泥棒」として考え、その「良い泥棒」を巡って同僚どうして骨肉の争いを繰り広げます。

深追い」は、そうした警察内部を色々な部署のキャラクタを主人公にして描いています。

その写実性、物語性はまるで「シートン動物記」ならぬ「横山警察記」。

ストーリーを楽しみながらも、「へぇ」と何度も思ってしまいました。


影踏み」では、一転その泥棒の方に焦点が当てられます。

双子の兄弟と父親、母親を無理心中で亡くした泥棒が、出所するところから始まります。

男の周りで起きるいくつかの事件を、連作短編集の形でまとめています。

ただの泥棒ドラマではなく、男の中に死んだはずの双子の弟が「声」として登場してくるところがミソ。

人間ドラマに深みが出ています。

深追い
深追い
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横山 秀夫
新潮社 (2007/04)
売り上げランキング: 966


影踏み
影踏み
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横山 秀夫
祥伝社 (2007/02)
売り上げランキング: 3872
おすすめ度の平均: 4.5
4 犯罪を止められない理由は?
4 もうチョッと...。
5 ハードボイルド作品

2007年3月13日

フィッシュストーリー

伊坂幸太郎の新作短編集です。タイトルは、収められている4編の中の1つ。

「フィッシュストーリー」とは、英語のスラングで「ほら話」という意味があるそうです(映画「ビッグ・フィッシュ」も、「大いなるほら話」という意味が込められていました)。

とある売れないロックバンドのラストアルバムに収められた1曲が、最終的に世界を救うという、風が吹けば桶屋が儲かる的な物語です。

読書感は、すべての事象は神によって必然とされている、ということが描かれたM・ナイト・シャマラン監督の「サイン」に近い感じがしました。

伊坂幸太郎の描くキャラクターは、どこか飄々としていながらも、ちゃんと一本芯の通った意志の強い人間達が多く、好感が持てます。自分もこんな感じでいけたら良いのにと思うこともしばしば。

強い意志を持って生きるのって、思っている以上になかなか大変です。


フィッシュストーリー
伊坂 幸太郎
新潮社 (2007/01/30)
売り上げランキング: 2052

2007年1月29日

大人のための「コロコロコミック」

【レポート】次世代ワールドホビーフェアで発表、大人向け『コロコロ』の驚きの内容とは? (1) 大人のための『コロコロ』 (MYCOMジャーナル)

大人のための「コロコロコミック」と言っても、エッチな漫画じゃありません。

僕らが子供の頃読んでいた「コロコロコミック」が、各年代から代表作をいくつかピックアップして収録し、発売されるそうです。

僕的にストライクなのは、vol.5の「1985年・1986年 『つるピカハゲ丸』『ファミコンロッキー』 『がんばれ! キッカーズ』『あまいぞ! 男吾』」からvol.7の「1989年・1990年 『GO! GO! ミニ四ファイター』『爆走! ダッシュクラブ』 『ダッシュ! 四駆郎』」のあたりですね。

「ファミコンロッキー」懐かしいなぁ。

無駄にでかい画面やでかいコントローラでゲームしていたなぁ。

「あまいぞ!男吾」も結構好きでした。

値段は1,000円と高めですが、本誌とコミック2冊が付くのなら、まぁ妥当なところでしょうか。

発売は5月末からだそうで、ちょっと先の話になりますね。

こうなると気になるのが、コロコロの永遠のライバル、ボンボンの動向。

これを機会にそちらも復活しないかな。「プラモ狂四郎」とかもう一回読みたいな。

2007年1月16日

無料で配布される漫画雑誌「コミック・ガンボ」

コミック・ガンボ「GUMBO」

ホットペッパーやR25のヒットでフリーペーパー業界が注目されています。

広告を載せることで雑誌価格を0円にしてしまうというコロンブスの卵的手法ですが、この業界にとうとう漫画雑誌が参入してきました。

今朝方、JR田町駅前で配っていたので、もらって読んでみました。

江川達也が「坊ちゃん」を書く、と書いてあったのですが、読んでみると数ページのプロローグだけ。どうやら今春登場するようです。それまで雑誌が続いていれば、ということでしょう。

ラインナップは、4コマあり、麻雀漫画あり、コメディあり、とバラエティに富んでいます。絵柄も割と読みやすい作家が揃っているので、好き嫌い無く読めるのではないでしょうか。

ただ、難点を2つほどあって。

1つは、広い層にアピールするために多種多様なジャンルの漫画をラインナップしているのですが、それがために逆に統一感がなくなってしまっているという点。読んでいて訴えかけられるものがないんですよね、これ。

もう1つは、収支構造という点。広告モデルにしては、雑誌に載っている広告自体がかなり少なく、本当に今後やっていけるのか不安になってしまいます。こんなことは読み手が気にすることじゃないのかもしれませんが、なんとなく先行きが心配ですね。

先の展開が気になる漫画がいくつかあったので、しばらく読んでみることにします。

2007年1月 5日

渋滞学

昨年末から読んでいた本です。

シンプルなタイトルの通り「渋滞」について考察してあります。

目次
第1章 渋滞とは何か
第2章 車の渋滞はなぜ起きるのか
第3章 人の渋滞
第4章 アリの渋滞
第5章 世界は渋滞だらけ
第6章 渋滞学のこれから

渋滞、と聞くとすぐに「車の渋滞」を連想してしまいますが、そこで話を止めずに、人やアリ、そして世の中の色々なものの「渋滞」について考察されているのがおもしろいです。

特に第5章の「世界は渋滞だらけ」が出色の出来だと思います。

インターネットの渋滞や、電車の渋滞、エレベータの渋滞に航空機の渋滞など、普段そんなところに渋滞があるとは思っていないところで発生している事象とその解説が好奇心を刺激してくれます。

そこかしこの書店では、「今売れてます」というポップが立てられていましたが、それも納得です。


渋滞学
渋滞学
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西成 活裕
新潮社
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