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チーム・バチスタの栄光

第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作です。

店頭で見かけていたんですが、「チーム・バチスタの栄光」というタイトルから、勝手に「野球チームの熱血感動もの」だとばかり勘違いしてました。

なにかのきっかけで「バチスタ」が医学用語であることを知り、たまたまDISCASで「ER」をレンタルして見ていたこともあって、読んでみることにしました。

amazonの商品紹介より
東城大学医学部付属病院では、心臓移植の代替手術であるバチスタ手術の専門チーム「チーム・バチスタ」を作り、次々に成功を収めていた。ところが今、三例続けて術中死が発生している。しかも次は、海外からのゲリラ少年兵士が患者ということもあり、マスコミの注目を集めている。そこで内部調査の役目を押し付けられたのが、神経内科教室の万年講師で、不定愁訴外来責任者・田口と、厚生労働省の変人役人・白鳥だった……。

作者が現役のお医者さんらしく、手術のシーンとか医者の心境とかが結構生々しくリアルに描かれています。ただ、キャラクターがコミカルに描かれていて、重くなりすぎず、適度にバランスが取られています。

印象に残ったのが、主人公の田口医師が、チーム・バチスタの面々を聞き取り調査するシーン。その中で、各人にそれぞれ名前の由来を聞くのですが、これが結構その人の本質を見抜く、良い質問らしいのです。

そんなこと軽々しく説明できないと言って話さない人や、「所詮こんな名前ですよ」と蔑んで話す人、或いは「こういう夢が込められているんです」と自信をもって話す人。そこに、自分とどうやって向き合っているのかという姿勢が垣間見えるそうです。

もう一点印象に残ったのが、「大事なのはしっかり聞くこと」ということ。

田口医師は、愚痴外来と揶揄される不定愁訴外来(治っているはずで、検査ではどこにも異常がないのに、いたみなどを訴えてくる人専用の外来)の医者なんですが、そこにやってくる患者はどの人もじっくり聞いてあげることで、痛みや不調がなくなり「完治」するそうです。

仕事の上で、最近よく聞くのが「モチベーションが上がるように、ちゃんと説明する」ということですが、実は大切なのは説明をする前に、その人のことを良く聞いて上げることだというのに、改めて気づかされました。僕は結構話を先読みしてしまう方なので、話の途中で口を挟まず、ちゃんと聞く練習をしなきゃなぁとちょっと反省。

変人役人白鳥が再度登場する次回作「ナイチンゲールの沈黙」という本も最近出版されたようなので、チェックしてみようかなと思ってます。

チーム・バチスタの栄光 OFFICIAL WEB SITE

コメント (2)

こまえけんいち:

この本借りて読んでいる途中ですが、会話の中の本音の読みあい、がすごいですね。私は相手がしゃべった言葉そのものをまっすぐに受け取ってしまい、その言葉の裏にある相手の真意など会話の最中にはとても考えが及びません。
後で、本当は何が言いたかったのか、やっと気がつくことがたまにあるくらいですね。
医者ではなかったらかけない内容ですが、とても面白いです。

>こまえさん
医学的なおもしろさ、心理学的なおもしろさ、会話劇としてのおもしろさと、色々な角度から楽しめる本ですよね。
気に入っていただけて何よりです。