« 5月5日は | メイン | M:i:III »

第三の時効

これまたGW中に実家で読むためにセレクトした本。「半落ち」の横山秀夫の刑事物短編集です。

F県警強行犯係の活躍が、短編毎に視点を変えて描かれていきます。

一班、二班、三班とそれぞれにひと癖もふた癖もあるリーダとその部下がいて、互いに事件の解決を争い、ときに反目し、ときに助け合う姿は、読んでいて熱くなります。

短編それぞれに味があり、甲乙付けがたいのですが、この中でも特にぐっときたのが「囚人のジレンマ」というお話。

「囚人のジレンマ」とは、ゲーム理論や経済学で登場する有名な問題で、Wikipediaで詳しく紹介されているので、興味がある方はそちらを読んでみてください。

本来の意味は結構難しいのですが、小説の中では「別々の取調室に入れられた2人の犯罪者が、互いのことを信頼するかどうか(相方が別の部屋で自白を始めていないか)で悩み、自分が自白すべきかどうか苦悩する」という意味で使われています。

このお話の中では、この「囚人のジレンマ」が刑事の方にも発生してしまうと言うのがポイント。互いに手柄を争う中で、仲間を信じることができるのか、というサスペンスがおもしろいです。

最後にはほろっと来る場面もあり、まさに横山秀夫の真骨頂といった仕上がりになっています。

コメント (2)

こまえけんいち:

この本借りて読んでいます。久しぶりの日本の作家のミステリー。3作目まで一気に読んでしまいました。
日本の警察の独特な濃い雰囲気が面白いです。日本の組織にある、というか日本にしかない、というか組織内の心理描写がよく書けていますね。

楽しんでいただけたようで嬉しいです。
警察内部、しかも同じ課内で反目しあっているという設定はおもしろいですよね。ドラマとか映画にしても良さそうです。