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働きながら育児をすることについて―――その1

NHKの番組「日本の、これから」を見ました。

番組の内容の一部が、男性の育児への参加の是非についてでした。

実に興味深かったです。

と言うのも、つい先日まで僕自身も育児休業を取れないものかと、職場の上司に相談していたからです。

一時は「育児休業取れないなら会社を辞めてもいいや」と、辞表まで用意したのですが、色々ありまして、結局フレックスを利用して朝10時出社を認めてもらうとか、なるべく早く帰れるようにするとか、そういうことで対応する形になりました。

この件について、妻や職場の上司、友人知人と色々意見交換をして、気づかされることも多かったので、「日本の、これから」という番組を見て感じたことも含めて、ここに記しておくことにします。

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男性の育児への参加の話題は、育児休業の取得うんぬんという切り口で語られることが多いのですが、突き詰めていくと結局、男性女性に関わらず、「働き方」や「仕事」の問題に直面します。断言します。働いている、特に企業に勤めている会社員にとっての育児の問題は、イコール仕事の問題です。

男性が育児休業を取得しようとした場合に問題になるポイントを2つに絞ってみます。「男性が」と限定したのは、女性の場合、往々にしてこれらの問題は「雰囲気的に」無視される傾向にあるからです。

  • 休む(早く帰る)人の代わりになる人間が(すぐには)見つからない
  • 育児休業制度が現場の実態にそぐわない内容であることが多い

まず、「休む人の代わりになる人間が見つからない」という問題から。

どんな仕事においても、「その人じゃなくても(誰でも)できる部分」と「その人じゃなければできない部分」があります。その割合は職種によって変わります。

「その人じゃなければできない部分」の割合が高い仕事は、なにかの設計であったり、デザインであったり、脚本を書く仕事だったり、絵を描く仕事だったり、その人が創出する価値がその仕事の価値に直結する仕事です。

また、顧客と直接接している営業といった職種も、顧客に育児休業についての理解がなければ、「あそこの会社はなに甘えたことを言ってるんだ」と担当者を怒らせてしまったら、取引がなくなってしまうことも考えられます。

「その人じゃなければできない部分」の割合が低い仕事は、流れ作業に乗ってやる仕事です。例えば、工場でベルトコンベアで流れてくる本体にある部品をはめ込む仕事です。ただし、あくまで割合が「低い」だけであって、ゼロではありません。作業の質やスピードは、その担当者が持っているものがあるでしょうし、その人が休憩時間や終業後に仲間と会話をすることで職場の雰囲気を良くしていたり、或いは、「もっとこうした方が生産性が上がるんじゃないですか?」と新しいことを提案したりと、その人独自の価値を出している部分があるはずです。

こういう「この人が抜けたら、仕事上こういう穴が空く」という部分について、会社として、現場として、どういう風にフォローしていくのか、ということについては、実際のところあまりきちんと議論されていないように思います。

これからは、「職場のAさん(男性)の奥さんが妊娠した」という状況が発生した場合、その職場の管理者は「Aさんが育児休業を取得する場合、このようにフォローする」という計画(管理者にとってはリスク管理?)を立てなければならなくなってくるでしょう。

(明日へ続く)

コメント (5)

>その人じゃなければできない

うーん。これどうなんだろうね。
個人商店じゃないんだから、、とか俺は思ってますが。。

しかし、あれか、
辞表を部長の机にデーン!って叩きつけて
部長が"俺はこんなもの受け取らんぞ!ビリッ"とか
破り捨てたりしたら面白いのになぁ。。。

みつ:

> 休む(早く帰る)人の代わりになる人間が(すぐには)見つからない

 これは育児休業だけじゃなくて、日本の残業の偏在とかとも関連する問題ですね。
 残業が少ない国が実在することから類推すると、ある程度の影響に目をつむればほんとは結構代替できそうな気はします。
ただ仕事観の変化はすごく大きくなるでしょうね。
 実は知り合いで将来に備えて業務の厳しくない職場に転職した人がいたり、自分が将来結婚しても共働きせにゃ生活できんだろうという感覚があるので、結構身近な問題に感じますよ。

>しのはら
> 個人商店じゃないんだから、、とか俺は思ってますが。。
確かにそうなんだよ。
他のメンバーで助け合えるからこそ企業だと思うんだけど、実際のところ「○○さんじゃないとここの設計は難しい」とか障害が発生したら「○○さん呼んで!」とかなっちゃうよね。そのときに○○さんがいなかったら、別の××さんがやるだけなんだろうけど、クオリティとか工数とか、思っていた形と違ってくるんじゃないかと。
逆に「代わりがいるからいつでも休んで良いよ」と言われると、それはそれで「自分の存在意義って何?」って思っちゃう危険性があるんだよねぇ。

>みつさん
なんで日本人ってあんなに働きたがる/働かせたがるんでしょうね。「会社に良くしてもらっているから」「会社にはお世話になっているから」という話は良く聞いても、「自分は会社にこれだけのことをしている」という話はあまり聞かない気がします。戦後、高度経済成長の頃の「身体をはって頑張ってなんぼ」という思想が未だ根深く浸透していることも一つの原因だと思います。
転職した知り合いの方、その発想と行動力は正解だと思います。そう信じたいだけかもしれませんが。

森永:

うーむ。難しいねー。ウチの会社なんかは、女性が「育児休暇」を取ろうと思ったらすぐ取れるけど。。。
やはり、会社対個人では、限界があるので、労働組合みたいな団体で対抗して、権利を勝ち取るのが一番なのでは?
しかし、理由はどうあれ、担当者が「休みをとらざるを得ない」状況は発生する可能性があるので(病気になったり時事故したり)、担当者が休んだ場合に、対応できる組織、体制作りをしておくのが、管理側(マネジメントする側)の仕事だと思うけどね。

>森永
うちの会社は労働組合ないんだよね。だから労働条件についてなかなか改善されていかないんだと思われる。
うちらの世代もまあ徐々に管理の仕事に近づいていくわけで、そういうリスク管理を自分たちならどうやってやっていくかってことを今のうちから考えておいた方が良いのかもね。